「え…?あ、うん。おめぇ酔っ払い過ぎだ。酒には気ぃつけろ」
あたしは当たり障りのない返事を返し
「お嬢に言われたくはありませんよ」
と、タクはいつも通りの軽口に戻る。
「ムカっ!おめぇ一体何したかったんだよ!リコのこと聞きたいんだったらそれは無理だぜ。
あたしゃ今バイトの準備で忙しいんでぃ!」
あたしもいつもの口調に戻って追い払おうとすると
「…違います。お嬢にお伝えしなきゃいけないことがあって……俺…
もうどうしていいんか分からないんす」
どうしていいか……?
またもタクの声音がいつもより神妙なものに変わってあたしはゴクリと喉を鳴らした。
こんなタクの声聞くのはじめてだ。
何だよ…
何だって言うんだよ!!
「俺……やっぱどうしても黙っては居られないんです。
俺の気持ちは―――……」
そこまで聞いて
「わ゛ーーー!!!タンマっ!!
ちょっと、その手の話は今やめてくれっっ!!マジであたし出かけなきゃなんねぇから」
叔父貴にキョウスケに千里……モテ期の席はもういっぱいだ!!お前の席はねぇタク!
あたしはタクの言葉を強引に遮り、手に掴んでいたカットソーを慌てて被り、近くにあった白いふんわりスカートに脚を通した。
近くにあった籠バッグを引き寄せて、慌てて部屋から顔を出し
突然出てきたあたしの姿にタクがびっくりしたように半身をのけぞらせ
そんなタクに強引に笑いかけて
「んじゃな!また話は帰ってきたら聞くよ」
さっと手を挙げ、
ビュンっ!
文字通り逃げるように玄関へ。



