。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。




その夜、イチが予言したと言う台風並みの嵐はとうとうやってこなかった。


空は雲ひとつなく、相変わらずのうだるような蒸し暑い夜だった。


そのままの夜をそのまま引きずってきました、と言うような朝。暑い天候で迎えた。


「やっぱ嘘じゃん…?キョウスケの気を引きたかっただけだって…」


仰向けになったまま思わず呟く。


結局、雪斗との夢の続きも見られなかったし…


な~んか逆に目覚めが悪いような。


そんな消化不良のぱっとしない気持ちを抱えながら


エアコンを付けたお部屋で、あたしはバイトに行く前の身支度。


ベッドの上に洋服を並べて唸っていた。


嵐が来ないとか、雪斗の夢がどうのこのうとか、今はあれこれ悩んでる時間はない。


ちょっと寝坊しちまったぜ。


「いつものあたしだったら“これ”を選ぶけどなー」


淡いレモンイエローのブラウスに清楚な白いふんわりスカートを眺めてあたしは首を捻る。


いや、待てよ?こっちのボーダーカットソーとジーンズって組み合わせも捨てがたいし。


こっち(ブラウス、スカートコーデ)はデートみたいになっちまうし、かと言ってこっち(ボーダー、ジーンズ)はカジュアル過ぎか?


いくら『いつも通り』を意識したからって、気ぃ抜き過ぎか…


いや、勉強するだけなのにお洒落してってどうする。


千里と図書館に行くだけなのに何を悩んでる、あたし。


腕を組んで「む゛~ん」と唸っていると


コンコン…


部屋をノックする音が聞こえた。


あたしはブラとパンツ姿で


「はい!」


何だよ、時間ねぇんだよ!今は!


怒り気味で返事をすると


「お嬢、俺です。タクですけど……」


部屋の外で控えめな返事が聞こえてきて




へ!!!




タク!!?