キョウスケは珍しくケータイを手にして、真剣に画面を見つめながら階段を昇っていく。
「おい、キョウスケっ!」
階下から声を掛けると、キョウスケは驚いたように振り返った。
「お嬢……
遅くなってすみません」
あまりにも素直に謝られてこっちが拍子抜け。
色々聞きたかったけど、そんな雰囲気じゃなさそうだし。
「な、何見てんの……そんな真剣に…お前が珍しいな」
誰かとメールでもしてんのかな。
もしかしてイチに??
『今日はおおきに(๑≧౪≦)楽しかったで★
また次に会えるのはいつかな??(*´∀`)』
…なーんてな。
キョウスケがこんなメール送る筈もないのに妄想だけが先へ進んでいく。
てか相手やっぱりイチ??
リコには絵文字も何もないそっけないメールだって言ってたのに(←メール内容、朔羅の中で決定)
声は掛けたものの、実際何て言っていいのか分からずとりあえず思いついた言葉を口に出すと
「天気予報です」
とキョウスケがあっさり。
良かった。ラブメールじゃなかったことにちょっとほっ。
てか何で天気予報をそんな真剣な顔して見てるんだよ。
紛らわしいヤツめ。
「…明日…何かあるのか?」
「いえ。今夜の天気は降水確率が0%です」
「…あっそ」
真剣な顔して天気予報見てるから、てっきり何かあるのかと思ってたが。
「言ったんですよ、
一結が。
嵐が来るって」



