床に倒れたままのタクを見下ろしながら、タクは相変わらず何か言いたそうに無言だし。
ど…どーしよ…
なんか気まずい。
そう思ってると
「おー、キョウスケ」
マサの声が廊下から聞こえてきた。
ちゃ、チャンスだ!
「キョウスケ帰ってきたみたいだな!あたしキョウスケに用があるんだった!」
またも説明っぽくタクに言うとあたしは慌てて廊下に飛び出た。
「お嬢!」
タクがまだあたしを引き止めるようにあたしを呼んでいたが、聞こえないフリ。
ドキンドキン……
まだ心臓が鳴っている。
慣れない緊張がまだ心臓の辺りをくすぶっている。
あたしは心臓の辺りを押さえながら深呼吸。
「キョウスケ、遅かったな」
帰ってきたキョウスケが二階に向かう途中だったのだろう、階段を昇りかけていたがその歩みをマサが止めた。
マサ……
マサの声は落ち着くんだ。
ガラガラのダミ声だけどな。
マサの声を聞いて幾分か平常心を取り戻せた。
タクの奇行も気になるけど、キョウスケがどこへ行ってたのかも気になる!
あたしは思わずすぐ傍の壁に隠れてその会話に耳をすませた。
「…あ、はい。すみません、タクさんには伝えたんですが。LINEで」
LINE!??キョウスケお前LINEなんてやってんのか!
その顔でスタンプとか送っちゃったりしてるのかよ!
突っ込みどころは満載だったが
「おおよ、タクからちゃんと聞いてんぜ?でもお前一応お嬢に詫び入れておけよ?」
「あ、はい……」
キョウスケは相変わらず無気力そーな答えを返し、だがこいつがこんな風なのはいつものことだからマサも特に気にした様子もなく
二人は階段を境目に二手に分かれた。
チャーンス!!



