。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。




「戒に用って何だ?あたしでよければ聞いておいてやるよ」


早くタクを追い出したい一心で言うと


「…いや、いいっす。また出直してきます…」


いつになく小さな声でタクが気まずそうに顔を背ける。


「何なんだよ、はっきりしろよ」


イライラしてあたしが腕を組みながら立ち上がると


タクは困ったように眉を寄せ、だけど次の瞬間目じりを僅かに吊り上げた。


それはほんの一瞬。



タクのこんな表情、はじめて見る。


目が真剣さを物語っていてあたしは何故だか一歩後退してた。


ここは戒のお部屋だ。何かあったら大声を出せば誰か駆けつけてくれる。


だけどタクがあたしに何かするわけない…って分かりきってる。


だからその心配は皆無で。




「何だよお前…真面目な顔しちゃってサ~」



バシバシとタクの肩を叩くも、タクはその手を掴んであたしに一歩近づいた。


今までにないほど距離をつめて、タクの下りた前髪の(いつもは立ててます^^)毛先まで見える位置で―――


…………


「てか…お前酒くさっっ!!!酔っ払ってんのか!そんな酒くさい顔であたしに近づくな!!」


あたしは何か分からないけどアルコールの臭いをプンプンさせてるタクから逃れるよう身をよじった。


近くに居るだけで酔いそうだぜ。


だけどタクはいつもなら離れていくのに






「お嬢―――……俺―――………」




タクはふいに(意外に)長い睫をそっと伏せた。




何―――……




そう聞きたかったけれど、それよりも早く本能が危険信号を察知した。


「離せよ!」


あたしはタクの腕を振り払い、逃げ出そうとしたが


「聞いてください!お嬢っ!!」



タクがあたしの手を再び掴み、


「やめろ!あたしに触ンな!」


そう叫んで振りほどこうとしたとき、



バランスを崩した。