あたしは振り返ると同時にその何者かも分からないヤツを振り返り、身を沈めたままの体制でそいつの脛を狙い打ちした。
あたしの脚がそいつの脛に命中して
「いてっ!!!」
男の声がみっともなく響き、
ドタっ!
畳の上に転がった。
仰向けに転がっていたのは……
「タクぅ!?何でおめぇこんなところに!?」
心底痛そうにして目じりに涙なんかを浮かべてタクが打った背中や腰を撫でさすりながらむくりと起き上がる。
「お嬢こそ、ここで何してるんスか」
「あ…あたしは…」
ちょっと前まで戒といちゃいちゃしてました、なんて
言えねぇ。
慌てて宿題のノートを引っ張ると、
「これ!宿題教えてもらってたんだ!だけどあいつ途中で風呂入っちまって。
んで、一人じゃ無理だから宿題内緒で写しちゃおうと思ってサ」
く、苦しい言い訳~…しかも妙に説明くさいし。
だけどタクはあたしの言葉を信じたのか
「そうすか。俺はちょっとメガネに用があったんスけど…」
「あいつなら風呂に入ってるぜ?あと三十分もすりゃ帰ってくんだろ。
てかノックもせずに入ってくんなよ。びっくりするだろ?」
自分のことを棚にあげてタクを睨むと
「一応声は掛けたんスけど、返事はないのに物音はしてるから」
タクは困ったように苦笑いを浮かべ頭の後ろを掻き掻き。



