。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。







「行け」





短く言って、雪斗が撥をあたしに握らせる。


「行けってどこへ……」


意味が分からず撥を握ると、


ビシぃ…!



特に強く握ったわけでもないのに撥の真ん中にヒビが入った。


「…へ?」


カラカラカラ……


撥は音を立てて割れて行き、それと同時に視界が暗くなる。


待って!雪斗っ!!


まだ聞きたいことたくさんあるのに!





はっ!となって目を開くと、雪斗の姿はなく


そこはいつもと同じ殺風景な戒のお部屋に違いなかった。


――――……夢。


あたしは寝転がったまま手のひらをじっと見つめた。



雪斗は―――



あたしを導いてくれてるの?


それとも黄泉の国に誘おうとしているの?


分からない。


けど



白へびのことは―――きっと正しかった。






それからどれぐらい夢の余韻に浸っていただろう。


雪斗が何を伝えたいのか分からず一人で考えて……


考えて…?


ダメだ!一人じゃ何にも思い浮かばん!!


結局あたしは諦めて宿題のレポート用紙を開いた。


どうせ考えるなら、とりあえず目先のことを考えよう。


我ながらナイスアイデア♪


……と、思うものの…それも数分で終わり。


だって分かんないんだもん。


それにやっぱり雪斗の言葉が気になり、あたしは何となく押入れを開けた。


「確かこの辺にしまった筈…」


三味線を仕舞いいれてある辺りを夢中になって探してると、



スっ



押入れの床に黒い影が落ちた。


音も無く。


ただ静かに―――……




戒?もう風呂終わったんか…


一瞬の間でそんなことも考えたが



違う。





戒じゃない!