バサっ!
白いテーブルクロスが舞い上がり、一瞬だけそれに気を取られた。
テーブルに乗せた食器類が倒れるかと思ってあたしが思わず飛び退くと
玄蛇もテーブルクロスを両手に握って立ち上がっていて、口元ににやりと笑みを浮かべていた。
テーブルの上に並べられた皿やグラスなんかは何一つ動いていない。
見事なテーブルクロス引きだった。
ドキリとして目を開いて、さらにあたしの顔から血の気が失せたのは
武器であるナイフが手の中から消えていたのを知ったからだ。
「私を狙うなんて大したものだ。甘く見られたものだな。
こう見えても一応プロでね。もやしみたいな体だケド。
まぁ君の演技力もなかなかのものだったがね。一瞬本当に騙されそうになったよ」
玄蛇はいつの間に奪ったのだろうか、ナイフを指先でくるくる回し
「根に持つ男は嫌われるわよ」
精一杯の嫌味を言いながらあたしは顎を引き思わず一歩後退すると
「キモに命じておくよ」
玄蛇はナイフを振りかざした。
――――――!!!



