。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。




ごくり


喉を鳴らしてフォアグラを飲み込むと





「鷹雄 響輔が君に何を聞きに来たのか。


大体想像はつくよ。


君の話と言うのはそのことだろう?」



玄蛇は何事もないようにナイフでフォアグラを切り分けているけれど、純銀ナイフの鋭い切っ先が鋭い光を湛えてあたしはまたもごくりと喉を鳴らした。


「どうせあんたは心の中で笑ってるんでしょ?


また利用されて、って。


笑いたきゃ声に出して笑いなさいよ」


精一杯の強がりでこっちもフォークの先を玄蛇に向けると


「HAHAHA!」


玄蛇は渇いた笑い声を上げた。


「ちょっとぉ!!本当に笑うことないでしょ!」





「君が笑えと言ったからそれに従ったまでだ。


だがしかし、私は君のことを、利用された愚かな女だとは思っていない。



君は君のやり方で鷹雄 響輔を手に入れようとした。


それだけのことだ。



私は自分と言うものを理解して、その持っている能力を最大限利用する人間は嫌いじゃないし、むしろ立派だと思うがね」




玄蛇が切り分けたソテーを優雅に口に運び、その仕草が何故か酷く色っぽく見えた。



「なに…あたしって今慰められてるの?それとも褒められてる?」


疑うように目を細めると


「そのどちらでもない。そもそも褒めるなんて上から目線の言葉は嫌いだな」


玄蛇はナプキンで口元を拭いながら



パサっ



テーブルに放り投げた。



「そろそろ本題に入ろう。



杉並区の殺人事件、あれは私の仕業か?と。




答えは






Noだ。






これは褒められることかい?」