後悔したくないって思った傍から
あたしはその考えとは全く正反対の言葉を口にしていた。
「ギブアンドテイクでしょ?
今日あたしをあそこまで連れてってくれたのは、あたしから杉並区の事件を聞き出そうとしたからでしょう?
役に立てなくてごめんね」
こんなあたしは―――可愛くない―――
きっと今あたしは
あのアイドル以上に性格ブスだ。
わかっていた。
こんなこと言いたかったわけじゃない。
でも
響輔をつなぎ止める言葉が思いつかなかった。
キっ
けれど内容はどうであれ響輔は振り返ってくれた。
シャドウファントムのエンジン音がホテルの入口で小さく響く。
「なんやそれ。
そんなつもりあらへんし」
響輔の言葉は―――さっきの海の水よりも冷え切っていた。



