。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。





それから会話は途切れ、あたしは残ったコーヒーを無理やり飲み切った。


響輔も顔をしかめながら何とか飲みきり、間が持たないと思ったのかジーンズのポケットからごそごそとタバコを取り出している。


タバコは嫌いだし、吸う男も嫌いだけど


でも響輔のは全然イヤじゃない。


変なの。


「ねぇあんたの話ってのは何?聞きたいこと、あったんでしょ?」


いつまでも本題を出さずにあたしの愚痴に付き合ってくれた響輔。


こんなところまで連れてきてくれたし。


ギブアンドテイクじゃないけど、あたしたちが同等でいられるのは


この不思議な関係があるからじゃないかな。


「あー…まぁ、ねぇ…」


響輔は珍しく言葉を濁してミルクティーの缶の端を手で掴むとタバコを吹かせながらゆっくりと傾けた。


「なによ今更。聞き辛いって?」


「いや、この話の流れ的にどうなんかな…とか思うて」


「はぁ?あんたが話の流れを気にするタチ?今更なんとも思わないわよ」


ふん、と鼻息を吐くと


「…そうやな」


とまた歯切れの悪い返事。


何だろう、すごく嫌な予感がする。


前はこんなこと一々気にするような男じゃなかったのに。


いつでもマイペース過ぎて、そのペースについていけず一人イライラさせられてたってのに。





響輔が―――変わった。


ほんの少しだけど。





だけど響輔の口から出た言葉は意外なものだった。





「杉並区の殺人事件知っとる?


身元不明の焼死体で発見されてん。


警察はヤク絡みでヤクザに殺された思うてるらしいけどな。



あんた何か知らへん?」








やっぱりあたしの気のせいか。



いつも通り。