「気持ちいーーー!!!♪さいっこうっ!!」
200Km近くも出して疾走するシャドウファントムの後部座席であたしは叫び声に近い声を上げた。
徐々に上げていくスピード。耳の横で風が音を立てて去り
心地よい緊張感と、響輔の腰に
回した手首からほのかに伝わるぬくもり。
「最高」
あたしは響輔の背中に額を置いてもう一度呟いた。
「せやろ?」
「素敵な道ね♪警察もいないしオービスもない」
ここでまたあたしのフェラーリと響輔のシャドウファントムでカーチェイスをしたら、きっとすごく楽しそう。
「せやろ?ここは俺が見つけた響輔ルートや」
響輔は得意げになって言う。
響輔ルート…
なにそれ。ウケる♪
てか堂々と道路交通法違反を自慢してるなんて、子供みたいでちょっと可愛いし。
「んで?
どこへ向かうん?」
ハンドルを握りながら響輔が聞いてきて
「南の方へ。
行けるだけ遠くに」
国道246号線をひたすらに南下すると、やがて467号線に出た。その頃には出発して一時間半も経っていた。
〝江の島”と言う表示を見て
「海、行きたい」
ぽつりと漏らすと
「了解」
響輔は標識をちらりと確認してハンドルを切った。



