。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。






ロケ現場から数百メートル走ったところで、響輔はようやくあたしから手を離した。


「勝手なことしてごめん」


「ううん…」


しおらしくうなだれてたまには可愛いとこも見せようかな…って思ってたけれど、響輔は乱暴にバイクのヘルメットを手渡してきて



「ほな、行くで」


とあたしは頷いてもいないのに、シャドウファントムのスロットルを回してエンジンを吹かす。


…ちょっとぉ、あたしの仕草にちょっとは反応しなさいよ。


「てか行くって、どこへ行くのよ!?」


結局素直に(?)聞いてしまうあたし。


ヘルメットを両手で包みながら目を上げると




「決めてへん。





一結が行きたいとこ、行こ」





響輔はそう言って自分のヘルメットをかぶると、シャドウファントムの後部座席を目配せ。


こないだ乗せてもらったときと変わらずガンファイターシートだし。



でも


誰か特定の女の子を乗せるためにあつらえたシートじゃなくて、ちょっとほっとした。


あたしは大人しくヘルメットをかぶり、響輔の後ろにまたがる。


「どこでもいいの?」


一応聞いてみると


「ええよ。宇宙の果て以外やったらね」


宇宙の果て―――か。



それもロマンチックでいいかもしれない。



あたしと響輔、二人だけで青い地球を眺めるの。


そこにはあたしのライバル朔羅もいなければ、何かと鬱陶しい鴇田もいない。


過去も、今おかれている現状も忘れ去って




二人だけの世界―――