不意打ちに名前を呼ばれてドキリ…心臓が鳴る。
「やっぱ今日にしよ。
俺行きたいとこあんねん。付き合うて?」
ぐいっ
やや強引とも言える仕草で響輔に腕を引かれ
「あ、うん!すみません、失礼します」
あたしはアイドルに謝る“演技”をしながら響輔の後を追った。
なんだろうこれ。
嬉しいのもあるけど、気持ちいいほどの優越感。
どブスアイドルは悔しそうに歯ぎしりをしてスカートの端をぎゅっと握っていた。
「あ!またキミ!?
youをどこへ連れて行く気!?」
響輔を見つけたマネージャーが目を釣り上げて走ってくる。
しまった。見つかった。
「すみません、一結をお借りします」
響輔はあたしの手を引いて走り出す。
あたしも慌てて走り出した。
響輔
響輔
響輔――――
いくら名前を呼んでも呼び足らない。
愛しくて
愛しくて
呼ばずにはいられない。
ママが鴇田に抱いた気持ち―――
今のあたしには分かる気がする。



