三人で悩むこと十数分…


「お嬢~晩飯まだっスか??


マサさんに様子見て来いって言われて。


あれっ!また開かない!」


ガタガタっ


台所の引き戸をガタガタ言わせて無理やりこじ開けようとしているのは、ユズ。


キョウスケは慌ててPCを閉じ、戒は持ち場のハンバーグ作りに戻った。


あたしは慌ててつっかえ棒を外し、


「さ、最近立て付け悪りぃみたいなんだよね~…」


あはは!と無理やり笑顔。


ユズは台所に居るあたしたち三人を見渡し、


「お邪魔だったみたいスね♪」


待て!ユズっ!!


あたしはユズのカットソーを引っ張り


「何か勘違いされてると困るんだけど、あたしたちは夕飯の支度をしてただけだからな!


二人には手伝ってもらっただけ」


あたふたと説明すると


「大丈夫ス!俺、何も言いませんからっ。


がんばれよ、二人とも~」


と一応言いながらも、その視線は戒の方に向けられてる。


戒は手を挙げながら苦笑い。


どうやらユズは戒の味方のようだ。


「俺も戻ります。調べたいことまだありますので」


キョウスケもPCを抱えて早々と台所を出て行ってしまったし、やっと戒と二人きり……



と言いたいところだが、



「腹減った!待ちきれないんで手伝います」


と今度はタクの乱入。



結局、二人だけの甘い時間はすぐに終わってしまったってわけだ。


とほほ…