■ 衛星！？ ■


――――


――


戒とすっかり元通り（？）になって、騒がしくも賑やかに買い物を済ませ龍崎組に戻り、すぐ台所に立った。


仲直りのキッカケにハンバーグ作りを手伝ってもらうつもりが…


「これにパン粉と卵、ナツメグを入れて混ぜて」


ボールにひき肉とみじん切りにしたたまねぎを入れてお手伝い戒に差し出すと


「パン粉ってどれぐらい入れるの？」


「適当」


ドバー！


「ちょっ！ちょっと待て！！！入れすぎだ！」


卵を割らせると、


ぐちゃぁ！


殻ごとこなごな。


ナツメグは……


「いい！お前の気持ちだけで充分だ！もう何もしなくてもいい」


あたしは戒の手からボウルを奪った。


「……わりぃ」


戒はたぶん…心の底からあたしのお手伝いをしたいつもりだったろうけど…その気持ちは充分伝わったし。


「何でもそつなくこなせる器用なお前が料理だけは苦手とか…なんか可愛いじゃん？」


戒から奪ったボウルの中に、あたしはナツメグを振りかけながら思わず笑った。


「べつに…何でもこなせるわけじゃねぇよ」


戒はちょっと口を尖らせてそっぽを向く。


ありゃりゃ…プライドを傷つけちまったか。


と、ちょっと反省しながらタネを混ぜていると、







「何でもそつなくこなせる器用な人間ならさー…川上を傷つけることもないし、お前を怒らせることもない」







いつの間にかあたしの背後に立っていた戒があたしの後ろからあたしの両腕をそっと掴んだ。