「破滅と混乱を招きたいスネークにとって、もっとも好む手法だと思えば


簡単ですわ」


「鴇田は単に利用されたってわけか?」


「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。スネークの意図は分からないけれど


とにかく捜査をしてみないとこちらも動けない。


どのみち解剖結果を待つしかないわ」


諭すようにそう言われて俺は深いため息をついた。


タチバナもそれ以上反論するつもりはないのか同じようにどこか遠い目をして、再び腕時計を見やる。


「解剖結果が出たらマスコミが食いついてくるな。そうなったらスネークの思う壺だ」


タチバナがイライラとこめかみを掻き、


一方の彩芽さんは


「まだスネークの仕業と決まったわけじゃないわ。


でも私たちだってヤツの思惑どうりに動く人形じゃないの。


マスコミを利用してヤツの動きを見ましょう♪」


年の功か?ずいぶん余裕のある表情で笑顔さえ浮かべている。


結局、俺たちの“緊急会議”はその一言で締めくくられ、


俺はまだ残っている朝餉を食うことに集中。


「なぁ彩芽、さっき言ったことなんだけど、着物の中に…」


「まだお前はそんなことこだわってるのか!」


タチバナが目を吊り上げ、


「お前だって気になるだろ?気にならない野郎なんていないぜ?」


「まぁ確かに…」


俺の答えにタチバナは考えを変えたようで、彩芽は苦笑い。


「まぁ今は着けるのが普通だけど、昔はつけないのが通常ね。


私は昔ながらの……今はノーブラ、ノーパン♪」


彩芽の言葉に


「「マジで!!」」


俺とタチバナの声が重なった。


………



俺、タチバナと同じ思考かよ、そう思うと悲しくなってくる。


と言うか食いつくのはオトコの悲しいサガだよな。