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「なぁんか、あっちゅう間だったな~、俺おかんと親父と会話したのなんて数分やで?」


キリさんの運転で龍崎組まで送ってもらってる最中、戒が両手を頭の後ろで組んで唇を尖らせた。


「戒も何だかんだであの二人が好きなんだな~」


ちょっとからかうように脇を小突くと、


「まぁね~」


とどこまで本気か分からない言葉で前を向く。


あたしも…



あたしもたった一人の家族である叔父貴のことは大好きだよ。



あたしは叔父貴から貰った一輪の薔薇の花をぎゅっと握った。





叔父貴―――……またいつかちゃんと目の前で謝りたい。






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それから二日間はそれまでの激動が嘘のように、平和でのんびりとした空気が流れていた。


一回だけ鴇田が…あたしがバイトをしているカフェに来て、新垣 エリナの様子を聞いてきた。


どうやらすぐにでも実行してくれそうだ。


まぁあたしだってできれば鴇田と関わりたくないからな、一刻でも早く終わらせたいってのが本音だが。