そのあと割とすぐに戒が起き出して来て、ってかいたたまれない空気にあたしが無理やり戒をたたき起こしたんだケド。


戒が起き出して来ると、見張り(?)をキリさんと交代して鴇田はまたも部屋を出て行った。


戒はバスローブを羽織っていたが、膝まである丈も胸元の合わせ目もはだけていて、かろうじて腰で紐が巻きつけてある状態。


戒の引き締まった胸元や腹や、内腿に彫られた龍の紋とか目に入れちまって


ギャー!!


朝っぱらから危険なもの見せるな!!


とあたしは思わず顔を覆った。


だけど


「あら、何ておいしそうなの♪」


キリさんはこれまた色気のある視線で戒をじろじろ。


「と、とにかく着替えて来い!」


あたしは無理やり戒をバスルームに押し込め、


「あの……叔父貴はどこへ?」


と恐る恐る聞いてみた。


「会長ならもうチェックアウトなさいました。白虎会の皆様を駅までお送りしています」


白虎のおやっさんや姐さんたちと一緒に―――……?


もう帰っちゃったのか…


何だかあわただしくてちゃんと挨拶できなかったし、心残りと言えば





弓枝姐さん―――




そう俯いていると、



TRRRR



キリさんのケータイに電話が掛かってきた。


あれ??電波妨害されてるんじゃ。


「厳戒態勢は解かれました。もうケータイも通じますのでご安心を」


キリさんはにっこり微笑み、


「はい、朝霧でございます」


と電話に出た。



「…ええ、いらっしゃいます、少々お待ちくださいませ」



キリさんは赤いスマホをあたしに向けてきて


「鷹雄様の奥様からです、朔羅さんに話したいことがあるそうです」


と言って手渡してきた。




弓枝姐さんから―――