中途半端な終わり方に納得いかず、あたしが勢い込むと、


「彼はずっと二番目に愛した人の娘の近くで、彼女の成長を温かく見守っていました。


『彼女とは何の関係もない』と言う素振りを見せては、日に日にかつて愛した彼女の母親に似て美しく成長する彼女の姿を



見守っています。


そして最初の彼女との間にできた娘とは、喧嘩をしながらもその様子が変りつつあります。



彼の中に、かつて愛した女性たちの愛情深い性格と同じものが芽生えてきたのです。



そして彼は十五年以上のときを経て、また美しく聡明な女性に出会い


惹かれていき、彼はようやく愛した女性と結婚できそうなのです。


めでたし、めでたし☆」


「その三番目の彼女とはもうしてるわね♪


やっぱり彼はテクニシャンなのよ♪」


キリさんは楽しそうに笑い、枕の上で頬杖をつく。


「美人ばっかり出会ってヤって羨ましいぜ」


すっかり興味を持った戒はいつの間にかベッドに胡坐をかき顎に手をやる。


「その三番目の彼女の目的を考えてあげましょうか♪」


キリさんがわくわく言って、あたしは「目的?」と首を捻った。






「その組織の乗っ取り、じゃないですか。彼を利用して自分が権力を握る」





またもキョウスケが呟き、


キリさんは苦笑。


「冴えてるキョウスケさん、残念ながらそれだけは違いますわ。


その彼女の目的はその男の財産でもなく、権力でもなく優しさでもなく




彼の顔と体が目・当・て、なのよ♪♪」




キリさんは色っぽくウィンクをして、ドクターもにこにこ。


「はい、正解~♪お話はそこで終わりです」


ドクターは手を叩き、


ドクター版『ロミオとジュリエット』はなんだか途中ドロドロしつつも、最後はハッピーエンド??って言うのか、これ??


とにかく終わったわけで、五人で童話をしているとあっという間に時間が過ぎていた。