涙を拭ってバスローブだけを羽織りながらシャワールームから出ると、


部屋には戒とキョウスケ、そしてキリさんと……


「やぁ♪こんばんは☆」


変態ドクターがふらふら手を振っていた。


な、何故居る!?


思わず後ずさると、


「だいぶお疲れのようですからね、ドクター鴇田が鎮静剤を打ちに来ましたよ♪


これでぐっすり眠れるはず」


ドクターは楽しそうに笑って注射器を取り出し、シリンジを押し上げた。


「な、何の注射だよ!頼んでねぇぞ!」


「弟から頼まれたんですよ、あなたが眠れないだろうから、って。


注射がイヤなら子守唄を唄って差し上げましょう♪それとも童話の読み聞かせがよろしいですか?」


どれもイヤっ!!


あたしは戒の背中に逃げて、しっしっと手で払うも


「注射器の内容は確認しました。普通の鎮静剤です。


打ってもらったほうが落ち着くと思います」


キョウスケがアドバイスしてくれて、あたしはしぶしぶ戒の背中から顔を出した。


「注射が怖かったら俺が手を握っててやるぞ♪」


戒も協力的(?)だし、まぁいっか…


あたしは素直に好意を受けることにした。