シャワーを浴びるためバスルームに入り、シャワーの蛇口を勢い良く捻ると


あたしはシャワーの下で





泣いた。





叔父貴のあんな悲しそうな目、あんな苦しそうな言葉


はじめて見たし、はじめて聞いた―――



確かに叔父貴はあたしに隠し事してるけど、あたしの気持ちを利用して騙したことなんて一度もなかった。


あたしは大好きだった叔父貴に一番酷いやり方で、叔父貴を



傷つけた。




胸に彫られた龍の紋をそっと撫でる。


叔父貴の龍とつがいになっている龍―――



天と地に別れた龍。



あたしは地に―――美しい龍を一匹置き去りにして、一匹だけ天に昇ろうとしている。


地上に取り残された龍が悲しそうに、自分の片割れを探すように天を見上げ、


啼き声をあげているように思えた。




「……ごめ……なさ………」



ごめんなさい。



ごめんなさい、叔父貴。



シャワーを浴びながら何度も何度も謝った。





ごめんね、叔父貴。



あたし、あのとき何にも分かってなかった。


叔父貴はあたしが思うよりもずっと辛くて悲しい事実を背負っていたんだ。


全てはあたしを守るため―――




あたしを愛して、愛して





愛し抜いてくれたから






そのためだと気付くのは、もっと後―――