戒の言葉は嬉しかった。


あたしはあの広いお部屋で一人で寝るのかと思うと、気が滅入りそうだった。


叔父貴のことを考えて、傷つけたことを考えて―――



きっと眠れない気がしたから。



「今日は一晩あなた方の傍についているよう、鴇田から言われてます。


私が同席すること、どうかお許しくださいね」


キリさんはちょっと同情気味に眉を下げてあたしを覗き込んでくる。


戒とキョウスケは不服そうだったが、この状況で何も言い返せる感じでもなく


「あ、はい!全然大丈夫です!


女子トークしましょう!」


あたしは場を和ませるため無駄に元気な答えを返した。


叔父貴に怒られたショックでか、悲しみよりも今は変なテンション。


「女子トーク♪それは面白そうですわね。お嬢さんと私でレディースナイトですわね」


キリさんはあたしが叔父貴に何をしたのか知ってる筈なのに、変らずあたしに優しくしてくれる。


やっぱり、あたし―――



キリさんが悪い人だとは思えないよ。


白へびだとは





思いたくないよ。