戒はしばらくの間、無言で叔父貴を見下ろしていたが、やがて勢いよく振り返ると銃口をあたしたちに向けた。


驚いて目を開くと、


「銃を降ろせ、虎間」


同じようにハジキを構えた鴇田があたしたちの背後…ドアの内側に立っていた。


「会長…!」


その後ろにキリさんも居る。


いつの間に―――……


「そっちが先だ。龍崎 琢磨の命が惜しかったら言う通りにしな」


戒は銃口の先を鴇田に向けたまま、叔父貴の方を目配せ。


戒も鴇田も極限の緊張状態のようで、二人とも真剣な顔で睨みあいハジキを構えている。


「翔、言う通りに……」


キリさんが鴇田の手の上にそっと手を重ね、鴇田も威嚇以上何かをするつもりはないのかそっとハジキを降ろした。


やがてハジキを床に放り投げると、ゆっくりと両手を挙げる。


「今回は引き分けってところだな」


戒もハジキを降ろして、叔父貴と鴇田を交互に見た。







「今回は負けを認めてやる。



だから早く出て行け。






朔羅!お前もだ!!





顔も見たくない!!




今すぐ出て行け!!」