■ 偽ガードマン!? ■




叔父貴の用意してくれた部屋は広くてきれいなツインルームだった。


白い壁がまぶしくて、スタイリッシュな調度品がオシャレだ。


「わぁ」


思わず部屋を眺めて声を挙げると


「お気に召されて良かったですわ。


朔羅さんお一人のときはカーテンも開けず、窓も開けないでください。


誰かが尋ねてきても決して応対しないように。それ以外はご自由に、との会長の仰せでございます。


私と鴇田が隣の部屋に居りますので、ご用件は何なりと。


部屋の内線電話は使用できますので、部屋番号をプッシュしてくださればすぐにわたくしどもが対応させていただきます」


キリさんが秘書の口調でキビキビ言って隣の部屋へと続く壁を目配せ。


「それでは、ごゆっくり」


キリさんはそれだけ言って部屋を出て行ってしまった。


広い部屋にぽつん、と一人。


戒は……インカムを手に入れてくれるって言ってた。


それまで動くな、とも。


その言葉を信じて待つしかない。


あたしは意味もなく部屋の中をうろうろ。


長い長い時間が経ったように思えたけど、実際戒と別れてから二十分ほどのときだった。


コンコンコン


部屋をノックする音が聞こえて、あたしはドアスコープから外の様子を眺めた。


出るな、と言われてるから返事はせず…それでも誰が来たのか気になった。




「お嬢様、いらっしゃいますか?


龍崎会長よりお言付けを預かってまいりました」





叔父貴から?




ドアスコープから覗いたら、黒いスーツに身を包んだガードマン……


の扮装をした





戒とキョウスケ!!!?