結局、響輔には説教の意味でか、それとも嫉妬でか、頭にゲンコを一発食らって


その後は真面目に(?)会議。


朔羅が龍崎 琢磨の部屋に呼ばれてるから、その隙にパソコンをなんとかしてもらう作戦を打ち明けると


「正気ですか!」


と、またもこっわい響輔に睨まれて、俺は身を縮ませた。


「しゃぁないやん!俺かて反対や!!


でも言うても聞かへんもん、朔羅のやつ」


「はぁー…」


響輔は大きなため息を吐いて、額に手をやる。


「それに……朔羅は龍崎 琢磨の宣戦布告や、言うた。


この状況下で俺らが何もでけへんこと知っとって、挑発してきたんやで。


黙って身ぃ引けるか」


俺が腕を組むと、響輔も同じ意見だったのか


「まぁ分からないでもないですがね。


いつまでも龍崎会長の手の中で踊らされてるのは癪にさわりますが」


同じように腕を組んで俺をじっと見据え返し、何事か考えるように目を細めた。


数秒考えたのち


「もしかしたら…この状況を逆手にとってうまく利用できるかもしれません」


響輔は答えを出した。


「このホテルは今特殊な電波妨害されてます。


つまり、今は龍崎会長のパソコンは外部から侵入できない状況です」


響輔の説明に俺は頷いた。


「つまりスネークの野郎にも、ってことだよな」


「その通り。龍崎会長のパソコンから鴇田さんの自宅…もしくはオフィスにあるパソコンに侵入します。


彼の秘密を探るのなら、今しかありませんね。


情報を手に入れたら、スネークや白へびより先回りができます。





ただし、チャンスは一回だけ」





たったの一回。


朔羅に全てを賭けるしかねぇのか。