あたしは戒のジーンズの尻ポケットから、長財布を取り出した。
「場所を選ばなきゃ、準備はできてるよ?」
戒の口にその四角いパッケージを差し込むと、戒はちょっと驚いたように目を開いてぱちぱちとまばたき。
やがてパッケージを口の端で挟んだまま、
「Are you ready?」
ニヤリとうっすら笑って色っぽい声で聞いてきた。
「い…Yes,I am.」
真っ赤になった顔を俯かせてこくりと頷くと
「朔羅が英語で受け答え!すっげぇじゃん」
「お前にスパルタ特訓されたからな、その部分だけだ」
「勉強はスパルタかもしれねぇけど、抱くときは優しくするよ」
戒は口からパッケージを抜いて、あたしの頬にチュっと軽く口付け。
そのときだった。
バタン!
コツコツコツ…
男子トイレの扉が開け閉めする音が聞こえて、革靴の音が近づいてきた。
「戒、お前どーした。何で戻ってこないんだ」
個室の向こう側で
叔父貴!!?
の声がしてあたしたちは思わず顔を見合わせた。



