そのうち


「あんた!もっと愛想良くでけへんの!おめでたい席や言うのに」


鈴音姐さんが戒のおやっさんにキレて、


「ママ!そんなに怒らないでよ!!せっかくの美人が台無しや」


と虎間のおやっさんは鈴音姐さんにたじたじ。なんか必死だし、


一方


「キリさん、今宵はあなたと言う華が私にとって最高の景色です」


びっくりするほどのフェミっぷりを発揮するキョウスケのおやっさん。


間違いない、親子だな。


鈴音姐さんは虎間のおやっさんに怒りながらも、食事を進めていて


一方のキョウスケの姐さんは


無表情にナイフとフォークを使い、静かに食事をしている。


な、何を考えているんだんろう…


そのことが気になって、あたしの皿の食事はなかなか減らない。



だんまり、なのは弓枝姐さんだけじゃなく、鴇田も。


てかこいつは元々無口だから、しょうがない。


叔父貴とキリさんはキョウスケのおやっさんと談笑しながらワインのグラスを早いペースで空にしていく。


ふつーの食事会に見えるんだけど、


戒が言う通り何か裏があるのかな…


む゛~~と考えて込んでいると


「嫌いなもんがあるなら言うて?俺なんでも食うよ♪」


と、戒の手が伸びてきてあたしはその手を払った。


「食うし!」


あたしはサーモンと大根のマリネを口に運び、思いのほかうまい味に感激。


「うまい!」


「そうですか?じゃぁ俺のもあげますよ」


キョウスケがおすそわけしてくれて、あたしはキョウスケの分までしっかり味わった。


「響輔!てめ!点数稼ぎか!


餌で釣りやがって!」


「釣れるもんがない戒さんは、残念ですね」


あたしが一人悶々と考えてるのに、あたしを挟んで男たちはバトルだし。



なんか疲れてきた……