■ 極妻軍団現る!? ■


コンコン


鴇田は“2301”室と言う部屋番号のお部屋の前でその重圧的なこげ茶の扉をノック。


「キリ、私だ」


そう呟いても部屋の中からは何の反応もない。


鴇田はもう一度


コンコンコンコン


「キリ、開けろ」


せっかちにノックすると、


ガチャっ


「遅かったのね。予定は変更かと」


キリさんが現れたのはなんと……


風呂あがりなのだろうか、バスタオル一枚を体に巻いただけの格好。


「「ぅお!」」


思わずあたしと戒の声が揃った。


「キリ!お前は何て格好してるんだ!」


鴇田が慌ててスーツの上着を脱ぐと、キリさんの肩にかぶせた。


「相変わらずいい体だな」


叔父貴だけは余裕のニヒルな笑みを浮かべ、気にしない様子で部屋に入る。


“相変わらず”って……叔父貴、キリさんと過去にナニかあったの!


『社長と秘書の危ない会議☆夜の会長室でイケナイことしましょ』


なんてアブナイタイトルが浮かんできたが、


「ご安心ください、朔羅さん。会長とは何もありませんわ。


彼の話は80%が冗談ですので」


と慣れた様子。


キリさんの言葉を聞いて鴇田は若干うんざりしたように額に手をやり、


「お嬢もいらっしゃるのに失礼だろ、着替えて来い」


キリさんを強引に部屋の中に押し込め、


「あん!あなたってベッド以外もせっかちねぇ。うふふ♪」


キリさんは意味深に笑って、鴇田はガクリ。


鴇田……あたしはお前の秘密を知りたいと思ったが、





お前、人に言えない秘密、多そうだな!!