車内は奇妙な沈黙を満たし、不穏な空気を漂わせたまましばらくの間、問題なく滑らかに走っていたが、


途中で急遽スピードをあげた。


それほど空いていない道路なのに、無理な車線変更をしてあちこちでクラクションを鳴らされる。


「ど、どうしたって言うんだよ。運転荒いよ、お前!」


キョウスケほどではないけど。


あたしは無表情に運転する鴇田を睨んだが、


「尾けられてます。白のクラウン。覆面パトですね」


キョウスケが後ろを気にするよう首をひねった。






び、尾行――――!!






覆面パトって、もしかしてさっきの刑事!?