署を出ると、署の前に車の前で鴇田が控えていた。


後部座席を開いていて、あたしたちに入るよう促す。



鴇田―――……こいつも来てたんか。


そしてこいつもインカムのイヤホンを耳にしている。


厳戒態勢ってのは外れてなさそうだ。




あたしが乗り込もうとした瞬間、


「お嬢……」


鴇田に止められた。


何だよ!


いぶかしんで顔をあげると


「龍神社に行かれたそうですね……そこで何か見ませんでしたか…」


いつになく歯切れの悪い鴇田に



「見てねぇよ」と無愛想に返す。


そのすぐ後ろに戒が乗り込んできて、鴇田は諦めたように助手席の扉を開けて叔父貴を促した。




「どうやら知られたくないものがあったのは、


琢磨さんじゃなくあっちの方だったようだな」


にやり、戒は口の端を緩めてうっすら笑い、鴇田が運転席に乗り込む様をじっと睨んだ。


鴇田―――…


あの神社に何を隠したんだ。



あの神社にどんな秘密があるってんだよ。


そしてその秘密を、白へびは狙ってる。



同時にあたしたちの命も




狙われた。





早いうち何があるのか確かめなきゃ!