■ 追尾!? ■


「いつまで朔羅の肩抱いてンだよ、離せよ」


戒が叔父貴からあたしを引き剥がし、まるで宝物を守るような仕草で抱き寄せる。


あっさり奪われたものの、叔父貴はそれ以上何かをやり返すわけでもなく、黙って両手を挙げた。


スーツの襟元を少しだけ持ち上げると、


「俺だ、車を正面へ」


と小型の集音マイクでもついてるのか、誰かに指示をしている。


よく見ると、叔父貴の耳にはインカムのイヤホンもささっていた。





「ただごとじゃないな。厳戒体制の中来たってこと、



そして“あの”龍崎 琢磨を動かしたヤツやで?



連絡してきたのは相当大物に違いない」




戒がこそっとあたしに耳打ち。





大物――――…って誰―――……





「あの神社で事件が起きたことを知った可能性もありますね。白へびが掘り起こしたものが会長の秘密だったら?」


「だから慌てて来たってわけ?」


あたしたちは叔父貴の背後でひそひそ。