何で!?


てっきりマサが迎えに来ると思ったのに!


「ヘビーだな」と戒は顔をしかめ、キョウスケに至っては叔父貴と目を合わせようとせず慌てて顔をそらす。


って言うか…


『賽銭泥棒で実の姪がお縄!』


今度こそ叔父貴の雷落ちるの間違いなし…


ぅわぁぁあああん!


あたし生きて帰れないないかもっ!!


だけど


叔父貴は相変わらずキマった細身のスーツ姿で登場し、いつも通りスマートな仕草であたしの肩を抱き寄せると


「大変な目に遭ったな。ムショなんて閉じ込められて」


叔父貴は心の底から心配したようにあたしの髪をそっと撫で、


「何であんたが?マサさんじゃねぇの?」と戒が思い切り不審顔。


「連絡がきたんだよ。お前たちが無実の罪で拘留されてるってな」


無実――――……?


「誰から連絡が来たんだよ」


戒が片眉を吊り上げて叔父貴に聞くと


「誰だっていいだろ?拘留されたいのなら、お前だけ残るか?」


叔父貴は挑発するように薄く笑い、戒はそれ以上は何も言わずに小さく舌打ちをしただけで警察署の出入り口へと急いだ。



苛立ったその背中を見つめていると、


「どうだ、キョウスケ。シャバの空気は」


叔父貴だけはいつもの調子でキョウスケに話しかけている。


「くさい飯を食う前にオツトメが終わりましたからね。何とも言えません」


キョウスケがしれっと言い、


あはははは!


叔父貴は豪快に笑ってキョウスケの背中をバンっ!


「痛……」


キョウスケは顔をしかめて戒の向こうへ隠れた。


怒られるかと思って身構えていたのに、






まったくいつも通りだぜ、叔父貴……