――――…


「どうして賽銭泥棒なんてしたんだ!罰当たりな!」


制服を着た警官がテーブルをバンっと叩いてあたしたちを威嚇。


普段、その数百倍も怖くて人相悪い連中相手にしてるとこっちも免疫ついてる。


てか…


「だから!あたしたちはやってねぇっつってるだるぉう!!」


あたしも逆切れでテーブルをバン!


事情聴取をしていた制服警官たちが一瞬だけビビったように肩を震わせる。


「さ、朔羅っ!」

「お嬢!」


何故か男二人に止められるあたし。


「だったらあの破壊された賽銭箱とご本堂はどう説明するんだ!」



もう一人の警官が聞いてきて、


「だぁかぁらぁ!さっき説明しただろ!あれはタチの悪い不良に絡まれて、喧嘩ふっかけられたから」


戒は三人で話し合って決めた言い訳を述べたが、



「そのタチの悪い不良はどこへ行ったんだ」と質問に合うと、返答に窮した。


「あんたらの出現に逃げてったよ」


戒はそう説明したけど、


「君たちは何故逃げなかったんだ」


と、またも警官はたたみかけてくる。


「何故ってこっぴどくやられて動けなかったし…」


半分本当のことで半分嘘だが。


「喧嘩をふっかけてきたと言う男は?人相は、背格好は?何故絡まれた」


と言う質問にまたも口を噤む。


キョウスケなんて完全なる巻き添えだし…


ごめん。


そのキョウスケはごそごそとジーンズのポケットから財布を取り出し、


「どうぞ。俺たちが盗んでないって確かめてください」