「あ、彩芽さんが白へびかどうかなんてまだ決まったわけじゃないだろ!


大体オーダーメイドならともかく市販の香水なんてどこでも手に入れられるわけだし」


あたしの発言に二人は顔を見合わせた。


「それもそうですね。だけど、容疑者の一人として考えておいた方がいいかも」


「少しでも怪しい人物は警戒するべきやな」


戒はどうやっても彩芽さんが疑わしいみたいだ。


「どうします?この後、会長たちに会う予定でしょう?


彩芽さんは逃げていかないかもしれないけど、親父たちがこっちに居るのは限られてる。


捕まえるのは今しかないですよ?」


キョウスケに言われてあたしは考え込んだ。


「俺がドクターに会ってきますよ。彩芽さんの行動を知ってるかもしれない。


お嬢と戒さんは会長に会ってください」


短い間で考えた答えをキョウスケが出して、だがもっとも妥当だと思われる案を戒は却下した。


「いや、だめや。別行動は危険過ぎる」


「せやけど、ここで考えててもしゃぁないでしょ」


キョウスケが少しだけため息を吐き、


「選択肢は二つ。


1、会長に会って親父たちが何の目的で来たのか探る。


その2、彩芽さんのアリバイを確認しにいく。


選んでください」



キョウスケが指を二本立て、今度はあたしと戒が顔を見合わせた。


どっちも…どっちとも今すぐ実行したいけど、戒の言うとおり別行動は危険だし。


ああ、どうすれば!


と考えてると



「居たぞ!!」



制服を着た警官が二人こっちに走ってきた。