でも、その後も戒はくだらない世間話をしていてくれたおかげで、あたしたはそれほど怖い思いをせずに、いつの間にか鳥居の道は途切れ
目の前には行き止まりの裏山の斜面が広がっていた。
でも
やっぱり―――
お社は―――
ない。
「嘘……
だってここにあったんだよ!確かに見たもん!」
あたしはお社のあった場所まで走っていき、その場の土の上をうろうろ。
「石段はここで途切れてる。苔の生え方からしてここ数日で取り壊された形跡もないな」
と土を手でそっと撫でる戒。
「じゃぁやっぱり最初から無かったってこと―――…?」
やっぱりあたしお社のお化け見ちゃったんだ…
急に怖くなって思わず戒に駆け寄ると、戒はあたしの肩を抱き寄せて脇道に逸れて建つご本堂の方じっと眺めている。
「社の色は何色だった?」
急に聞かれて
「あ、赤っぽい…朱色って言うのかな……そんなような色だった」
記憶が曖昧だから何とも言えないけど。
「なるほど」
戒はそれだけ呟いて、あたしの手を引いてそのお社があった場所まで歩いていくと、
腰をかがめた。
「ここだけ土の色が違う。ごく最近誰かが何かを掘り起こした形跡がある…」
戒は真剣な顔でそのやわらかい土を睨み、確かに言われたらそこだけ柔らかくなってるような。
そんなやり取りをしているときだった。
「しっ!」
戒は突然唇に指を当て、穏やかだった視線を急に険しくさせて辺りを伺った。



