「まさかおめぇユズにバラしたんじゃないだろうな」


せっかくのデートだって言うのにあたしは向かい合った戒にガン垂れながら聞いた。


これじゃせっかくのデートも台無しだな。トホホ…


「いや……バラしたんやなくて、バレてた…って言う…」


戒が珍しくあたしから視線をそらしてお絞りで手をふきふき。





――――







「はぁ!!ユズにあたしらのことバレてた!」




思わず怒鳴るとオーダーを取りに来てくれたお店のお姉さんがビクッ!


あたしは慌てて口を噤み、戒は


「じゃぁこのオススメコースランチ二つで♪」と無理やり注文してお姉さんを帰す。


「じゃ、じゃぁユズはあたしらのこと知ってて黙ってたってワケ??


何で!」


「そりゃ人には聞きたくても聞けない事情てもんがあることあの人は考えてたからじゃね?


あー見えて口は堅てぇよ」


まぁ…あたしもユズの私生活は聞きたくても聞けねぇがな。


あいつの趣味の黒魔術で呪われそうで怖い。


「まぁいいじゃん。黙っててくれてるみたいだし。


俺色々応援されちゃった☆」


戒は明るく笑ってウーロン茶を一飲み。


「応援?」


「そ。響輔と三角関係でお前を取り合ってるって思ってるみてぇ」


当たってる……?ダケにあいつ…ユズの勘が益々怖い。



「ほ、他のヤツらは?薄々勘付いてるのかな…」


「いや、他の連中は全然。俺と響輔がデキてるって方を信じきって、俺とは二人きりにならないよう警戒してる」


あはは!戒はまたも明るく笑ってウーロン茶を飲んでいたが、


おめぇ…それでいいんかよ、とちょっと戒が心配になったり。