時限爆弾のウィルスもうまくいったし、あとはコーチを黙らせるだけだ。


あたしは立ち上がった。


「新垣さんを早くあの男から解放するよ」


急に言い出したあたしに新垣 エリナが目をまばたく。


思い立ったが吉日、だ!


「鴇田んとこに行く!


行って頼んでくる!!」


戒には勝手なことするな!って怒られそうだけど、だって居てもたってもいられないもん。


「い、行くって今から!?」


新垣 エリナも立ち上がり、


「頼んでくるだけだ。あいつも多忙だし早いうちに頼んだ方がいい」


あたしが拳を握って決意すると、


「あ、あたしも一緒に行く!」


と、新垣 エリナが言い出した。




―――




「行くって言ってもヤクザの本拠地だぜ?


新垣さん大丈夫?」


勢いでついてきちゃった新垣 エリナを心配そうに見ると、


「叔父様の会社って普通の会社なんでしょう?」


「まぁな…」


裏では色々あくどいことやってそうだが…


「あたしが当人なのに、何もしないで全部龍崎さん任せにしたらやっぱりダメだよ」


と新垣 エリナは真剣。


律儀だなぁ。てか真面目だ。


「ところで龍崎さんのお父さん、元気??」


「だぁかぁらぁ!鴇田はあたしの親父じゃねぇっつの!」



これさえなけりゃな。