「詳しくって言っても…」


リコはぽっと顔を赤らめて両手で頬を包む。


ぐわぁあああああ!したんかよ!!


「キョウスケ!あたしの親友に手ぇ出しやがって!!!許せんっ。


どうゆういきさつがあったのか知らないが、キスまでして告白を断るたぁ!」


「ヒヨコちゃん!!見損なったよ!」


あたしとタイガが怒っていると、






「ち、違うの!


あ………あたし…から…



キョウスケさんはびっくりしてて…すぐに



引き剥がされちゃったけど…」





消え入りそうな声でリコが答えて、恥ずかしそうに顔を覆う。


あたしたちはまたも顔を見合わせて目を開いた。


キョウスケ…


おめぇも!いつも簡単に女に唇奪われてるんじゃねぇよ!


そのせいであたしは貞操を奪われる羽目になったんだぞ!!


「まぁまぁうさぎちゃん。今日は小悪魔ちゃんの第一回失恋会だ。


僕も大目に見ることにしよう」



タイガだって取り乱しそうなのに、無理やり笑顔を浮かべている…





ガタガタガタ…


コーヒーカップを持つ手が怒りで震えてんぞ。


「第一回って…二回も三回も失恋会したくないよ!」


「じゃぁ小悪魔ちゃんにキスのレクチャーをしようじゃないか♪


まずは僕とうさぎちゃんでお手本を…」


ん゛~と迫ってくるタイガを避けながら、




「てめぇはパンプスとでもレクチャーしてな!」




あたしは例のごとくタイガに一発パンチをかまし、第一回の失恋会は荒れに荒れた。