「どうした!まさかキョウスケに何かされたのか!」


思わず怒鳴り声を上げると、ケータイがビリビリ振動したような気がした。


『……ヒック……ううん…そんなんじゃない……』


「じゃぁどうした…?」


そう聞くとリコはまたも声を上げて泣き出した。


嗚咽が混じった声での説明は聞き取りづらく、あたしはとりあえずは一旦電話を切り


今からリコの家まで行くと言ったが、


リコは二人の中間地点のファミレスまで出てくる、と言う。


場所をしっかり確認してパーカーをひっつかみ、財布を鞄に入れてると


~♪


またも電話が。


誰だよ、このクソ忙しいときに。


苛立った気持ちでケータイを手に取ると


知らない番号が表示されていた。


「誰だ?」


訝しみながらも電話を取ると







『あ、僕だよ。僕、僕~♪』






聞きなれた変態の声が受話口から聞こえてきて、


あたしはうんざりして通話を切ろうとした。