「な……なんであんたがここに居るんだよ」


俺の苦手な人間№1!!


偶然でも会いたくないってのに!


「偶然ですよ、ふふっ。仕事帰りです。


大丈夫です、このことはお嬢さんには黙ってるつもりです」


ドクターはまたも意味深に笑い、唇に指をあてる。


「嘘だ!この話をネタに俺の体で人体実験でもするつもりなんだろう!」


ビシっと指差すと、


「それは…考えていませんでしたけれど、なかなかいいアイデアですね♪」


しまった!俺としたことが!!


「俺の体は朔羅だけのものだ」


思わず両腕を抱きしめると、ぬっと手が伸びてきて


「いいじゃないですか、血液ぐらいちょちょっと」と言って俺の血管を勝手に探ってくる。


こいつ……


ホントに朔羅が言う白へびってヤツなのかよ!


むちゃくちゃ胡散臭せぇ!!


「響ちゃん!」


思わず響輔に助けを求めたときだった。



開けた窓からふわりと風が香りを運んできた。






オピウム―――