ふわりと笑って、「気をつけて帰れよ」と言い残すと、彼は教室を出ていった。 きゅ、ともらった指輪を大事に掌で包みこんで、抱きしめた。 大好き。 大好きだよ。 放送は、依然彼を呼んでいる。 『河西先生、至急生徒会室まで来てください。繰り返します、────』