零れ落ちる涙を、彼は優しく拭ってくれた。



「すごく、嬉しい……」



好き。


大好き。



言葉にならない想いを、だけどちゃんと言葉にしようと顔を上げた瞬間、スピーカーから彼を呼ぶ放送が流れた。




「……ごめん、もう行かないと」



名残惜しそうに、最後にあたしの頬に軽くキスをして、彼はあたしから身体を離した。



「本当に、ありがとう。大好き」



「俺も好きだよ、由架」