今日は、光哉が来た

由衣はまだ来てない

委員会の仕事があるらしい

「よっ
どうだ?」

「いい風に見えるか?」

「正直言うと・・・
前よりヤバいかも
顔色が悪くなってるな・・・」

「・・・そっか
あのさっ、相談してー事あんだけどいいか?」

「なんでもどうぞ」

快く言ってくれた


「俺、由衣に歩けねーって言ってねぇーんだ」

「で、どうしたいんだ?」

「俺は・・・
俺は由衣に歩けないけどそれでもデートしてくれるか聞きてーんだ」

「・・・由衣ちゃんはそれくらいのことで
デートしないと思ってんの?
聞く必要ないと思うけど」

「何でだよ」

「だってお前が がんだって言っても逃げなかっただろ!?」

「それだけでか?」

「それだけかもしんねーけど
そのお前が言うそれだけでも良いじゃね
逃げなかった、ただそれだけでさ」

「そうだな」

ホッとした

嬉しかった


今の俺なら由衣に言える

知ってほしい
今の俺を・・・


光哉と入れ替わりに由衣が来た

「どう?」

「まぁまぁだな」

「あのね
デートの場所、決めたんだ」

「・・・その前に知ってほしいこと、あるんだ」

「何?」

「俺・・・
一人でまともに歩けねーんだ
前より体力もなくなってるし・・・
それでもいいか?」

「・・・バカ
タイガのバカ!!」

「・・・」

「私、気にしないから!!
歩けないなら私がタイガの足になるから!!!」

「・・・ありがとう」

「知ってたんだ」

「何を?」

「私が体調はどう?って聞くと
キツイのに大丈夫みたいな事言ってる・・・
弱っていくタイガ見てると・・・・・」

「つらいか?
ごめんな・・・」

「本当の事、言っていいんだよ!?
つらかったらつらいって
泣きたかったら泣けばいい
甘えたかったら甘えればいい
もっと私を頼ってよ・・・!!」

「ごめん・・・
ごめんな ありがとう」

由衣を引きよせた

「本当の事言うと・・・
あんま体調良くねーんだ
自分の力で歩けなくてつれーんだ
・・・一人でいるのが怖いんだ」

「そうだったんだ」

由衣を抱きよせた

「俺・・・
死にたくねぇー
生きて
年とって
皆とバカやって
由衣と一緒にいたい」

思わず涙が溢れだした

「タイガ・・・
怖かったんだね
気づけなくてごめんね」


俺は泣き続けた



由衣 光哉
 ありがとう

一言でも伝えたい

今はそんくらいしかできないケド・・・

今の俺にとってこれが精一杯できる事なんだ