「でも、ハル。」
抱きしめたまま葵が俺を呼んだ。
「なに?」
頭を撫でながらこたえる。
「なんでまたそんな話になったの?」
お互いに手を回したまま、至近距離で見つめあった。
前まで普通だと思っていたその顔。
可愛いと思ったことももちろん何度もあった。
けど、それは俺の感情のせいだと、その認識もあった。
でも最近は、
葵は本当にこの世に存在する誰よりも可愛いんじゃないかって思う。
俺の贔屓目とかではなく、マジで。
なんて、また恥ずかしいことを思いながら葵の質問への答えを考えた。
そう、俺がこんなことを葵に頼まなければいけなくなった理由。
それはあいつらが悪い。
いやでも・・・
そもそも、顔に出てた俺が原因なんかな?
苦笑いしながら、葵にこの前の部活でのことを話した。