触れたい・・・。
もっと近づきたい。
そんな思いで、顎に手をかける。
びくっと肩をゆらす姿が可愛い。
「もっかい、キスしてもいいですか?」
羞恥の中、問いかける。
さっきみたいな一方的なものじゃなくて
ちゃんと許可を得てから触れたいと思った。
「はい・・・。」
きっと俺も今、葵に負けず劣らず真っ赤だ。
だって、全てが初めてだから。
好きになったのも、こうしてキスをするのも。
そもそもキスしたい女なんて、一人だけ。
ゆっくりと唇を合わせると
勢いに任せてしたさっきのキスとは全然ちがう。
温かい。やわらかい。
・・・大好き。
葵・・・好き。
キスってすげえ。
唇合わせるだけで、わかる。
葵も、俺のことが好きなんやって
そして、俺は葵のことがこんなにも好きなんやって。
幸せになれる。


