見つめあっていると

恥ずかしくなってきて、

どちらからともなく視線をずらす。


でも、やっぱり顔が見たくて

また向き合う。


目があって、恥ずかしそうにして

でも笑顔を見せてくれる。


「・・・・っ、」


ああ・・・・。

これが、愛しいっていう感情。


その笑顔は、初めてみた。


夢じゃない。

だって、そんな顔見たことない。

夢なわけない。


葵のその笑顔は、

俺のことが好きなんだって、伝わってきた。



うれしくて

俺はきっと、世界で一番の幸せ者だと思った。




「葵。」


好き。

気持ちを込めて、名前を呼ぶと
もっと顔が赤くなる。