なんで俺じゃあかんねん

ちょうどええわ。

公園の隅にある水道へ向かう。

ここは木陰になっていて、風が抜けると涼しい。


エナメルをそばにおいて蛇口をひねると、
ちゃんと綺麗な水が出てほっとした。

あんまり使われてない所だから、もしかして止まってる可能性もあったから。


少し待つと、暑さでぬるかった水も、冷たくなる。


俺は、水道の下に頭をつっこんで

頭から冷たい水をかぶった。



はあ~・・・・。

きもちいー。


汗だくだった頭に、新鮮な水は、オアシス。


・・・生き返る。



俺はしばらく水で頭を冷やしていた。


物理的に冷えると、ちゃんと整理もされるのか

温度が下がっていくと、ちょっと冷静になれて

さっきまで絶望していた心も晴れていくようだった。



・・・そうや。

これくらいであきらめてどうするねん。



清水さんにも、
雅さんにも、

リキトにも。



これくらいで諦めたら、きっと怒られる。


今までの意気地のない俺は卒業するって決めたんや。