なんで俺じゃあかんねん


「はあ・・・もう、無理・・・・。」


俺は、とうとう立ち止まって、歩き出す・・・。


荒い呼吸が収まらない。

苦しい・・・


口の中が渇いてる。

抱えていたエナメルから、水筒とタオルをとって

一気にスポーツドリンクを流し込んだ。

タオルで汗を拭くけど

拭いても拭いても流れ出してキリがない。




「あーーーくそ!!」


せっかく人が覚悟を決めたって言うのに。


神様?

おるかおらんか知らんけど、ちょっと意地悪な気がする。


「・・・どこにおんねん。」


言いたいことがあっても、その相手がいないんじゃ話にならない。



俺は、首からタオルをかけてまた歩き出す。


体中がベタベタする。

気持ち悪い。

最悪・・・。



水、かぶりたい・・・。


そんなことを考えながら、行く当てもなく歩く。



葵・・・。