なんで俺じゃあかんねん


しばらくして、うつむいたままの葵が何かを言った。

「・・・っから。」

「え?」

でもそのなにかは小さすぎて聞こえない。


「だから!」


顔をあげた葵は真っ赤になっていて

「他に好きな人がおるから!!」

今度ははっきりと、よく響く声でそう告げた。



好きな、人・・・?

他に?

真田先輩以外に好きな人?


「はあ!?

誰やねん!!」


そう聞いたのは、ほぼ勢いと反動。


誰や、葵の好きな奴って・・・。


だって、はじめてや。

葵からはっきりと"好きな人"なんてフレーズ聞いたのは。


今までも彼氏はおったけど、

それは向こうから告白されて、であって

葵からじゃない。


葵に好きな人!?


驚きと、嫉妬と、

絶対に突き止めなくては、という使命感。


突き止めて、邪魔したる!